沖縄・名護の街中に、バナナが街路樹になっている通りがあります。お世辞にも立派なバナナとは言い難いのですが、たった数メートルだけ見事に生い茂っている一角がありました。
珈琲店の前の部分で、ちょうどその店から女主人と思われる人物がジョウロを持って現れました。そこで「ここのバナナだけ随分立派ですね。何かいい肥料をあげているのですか?」と尋ねてみました。
女主人は「何にも、水だけよ。でもね、毎日水をあげる時にありがとう!って声かけてるの。それだけよ。それだけでこうなるの」と答えてくれました。
驚いた私は、そのことをアップルバナナ農園主のシーサー上里氏に聞いてみました。上里氏は「ああ、そりゃそうですよ。私も毎朝夜明けとともに農園に行くけど、必ずやることは農園中を歩き回って全部のバナナにありがとう、ありがとう、って声をかけることですから」と、こともなげに言いました。
バナナ、いやもしかしたら全ての植物は私たちが思っているよりずっとテレパシックなのかもしれません。
アップルバナナの美味しさの秘密。そのうち一つは、きっとこれです。





