原稿を序章から書き直してます。いつもこんな感じで出版するまでに何度も書き直します。発売日は9月を予定しています。第1章まで記事と僕のブログにて無料公開します。良かったら読んでください。

【序章】15年前の本がバナナを連れてきた

僕が初めて書いた本『超ネット販促』を出版してから、気がつけば15年が経っていました。振り返ればあっという間ですが、15年という時間は、やはり長いものです。その間に、インターネットの世界はすっかり変わってしまいました。

ホームページを作れば注目された時代は終わり、ブログ、SNS、YouTube、ライブ配信、ショート動画、AI検索など、次から次へと新しい道具が生まれてきました。

昔は検索で上位に出ることが大きな武器でした。今はそれだけでは足りません。SNSで見つけられ、動画で興味を持たれ、AIに要約され、スマートフォンで一瞬のうちに判断される時代です。

販促をする側からすれば、難易度は富士山を裸足で登るようなものです。そんな激変する業界の最前線で、僕は25年間ドタバタしながら仕事を続けてきました。その経験から、これだけは自信を持って言えます。

「販促の本質は、1ミリも変わっていない」

誰に、何を、なぜ届けるのか。そして、どうすれば相手の心が動くのか。この基本がグラグラのまま、どれだけ新しくてカッコいいツールをドヤ顔で使ったところで、うまくいくはずがありません。逆に、この基本さえガッチリしていれば、どのツールを、どの場面で使えばいいのかは自然と見えてくるものです。

気がつけば、僕は広告やプロモーションの現場に25年もいて、株式会社アド・プロモートを立ち上げてから丸20年という節目を迎えていました。

数字だけを並べると、なんだか凄いベテラン経営者のように聞こえるかもしれません。しかし、中身はカッコいい話でも何でもありません。数え切れないほど失敗し、何度も恥をかき、そのたびに「もうダメかもしれない」と思いながら、それでも何とか続けてきただけの泥臭い会社経営です。

そんなドタバタな時間の先で、僕は人生を動かす不思議なご縁に巡り合うことになります。

そのきっかけを運んできてくれたのが、地下芸人のゆきおとこさんでした。ゆきおとこさんは、寒い、すべる、凍るで話題のスベリ芸人です。ネタを披露すると、笑いより先に空気が凍ることもあります。でも、僕はそんなゆきおとこさんの不思議な魅力が好きでした。

僕には、いつか映画を作ってみたいという夢がありました。本を書き、ラジオをやり、動画を作り、いろいろな表現に挑戦してきましたが、心のどこかに映画への憧れがあったのです。

その夢につながる出会いを、まさか「すべり芸の神様」が運んできてくれるなんて、人生は本当に何が起こるか分かりません。ゆきおとこさんがつないでくれたご縁によって、僕は映画監督の大塚恭司さんと出会うことになります。

大塚監督は、元日本テレビの演出家です。テレビの世界で長年、人の心を動かす映像を作り続けてきた、本物の凄い方です。僕にとっては、「いつか映画を作ってみたい」という夢の、ずっと先にいる大先輩でした。

初めてお会いしたのは、ラジオ番組の現場でした。せっかくの機会なので、まずは僕がどんな人間なのか知ってもらおうと思い、これまでに書いた本を数冊、大塚監督へお渡ししました。その中にあった一冊が、まさか15年の時を超え、「アップルバナナ」という謎のバナナに化けて戻ってくるなんて、当時の僕は夢にも思っていませんでした。

話が動き出したのは、本をお渡ししてから数か月が経った、2025年1月の寒い時期でした。大塚監督から、一本の電話が入りました。もしかして、映画に関する話かな。心のどこかで少しばかり期待しながら電話に出ると、大塚監督の第一声は、僕の予想とはまったく違うものでした。

「アップルバナナのことなんだけど」

え? アップル?バナナ? 一瞬、僕の頭の中で、その二つの言葉がうまくつながりませんでした。

アップルなのか。 バナナなのか。 どっちなんだ。

映画の話ではありませんでした。まぁ、そりゃそうだよね。心のどこかで期待していた自分に、僕は小さくツッコミを入れました。話を聞いていくうちに、どうやらそれはバナナの話だということがわかってきました。

しかも、普通のバナナではありません。沖縄の自然の大地で育った、栄養豊富な国産バナナ。農薬不使用、化学肥料不使用にこだわった、安心して食べられるバナナ。そのアップルバナナを、沖縄だけでなく、日本全国の方に届けたい。大塚監督の話は、そんな内容でした。

ただ、なぜその相談が僕のところへ来たのかということです。もちろん、ネット販促は僕の本業です。相談に乗れることがあるなら、力になりたいと思いました。

大塚監督が僕に相談しようと思ってくれたきっかけは、あの時お渡しした本の中にありました。それが、15年前に僕が書いた『超ネット販促』です。大塚監督はその本を読んで、こう感じてくれたそうです。

「これだ」

ただ商品を紹介するのではなく、実際に動きながら販促の現場を記録する。うまくいったことだけでなく、迷いや失敗や数字の変化も含めて、ひとつの物語として残していく。

そのスタイルが、これから広めようとしているアップルバナナにも重なると感じてくれたのだと思います。

『超ネット販促』は、僕の地元・栃木県の名産品である「かんぴょう」の粉を練り込んだ「かんぴょううどん」を、実際にネットで販売しながら、その販促活動をリアルタイムで記録した実録ネット販促の本です。

その本が15年後、大塚監督の手に渡り、今度はバナナを連れて戻ってきたわけですから、人生というのは本当に面白いですよね。

地下芸人のレジェンドであるゆきおとこさん。数々の映像作品を作ってきた大塚監督。15年前に僕が書いた本。そしてバナナ。どう並べてみても、まったく意味が分かりません。

しかし、人生には時々、こういうことが起こります。自分では何の関係もないと思っていた点と点が、ある日突然つながり始めるのです。僕はその不思議な流れの中に、少しずつワクワクし始めていました。

15年の時を経て、場所を変え、商品を変え、関わる人を変えながら、まったく別の形で「超ネット販促」続きが再開されます。

沖縄の大地で育った、名前からして少々ややこしいバナナの販促物語

「アップルバナナは本当に美味いのか?」

その問いの答えを探す冒険がここから始まります。